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【1942年 蘭印作戦(H作戦)】 多くの海戦の発生。オランダの植民地支配の終焉

公開日: : 主要海戦・作戦

ここから1942年

蘭印作戦(H作戦)

蘭印作戦(H作戦)

●概要

1942年1月11日 – 3月9日、太平洋戦争初期における日本軍の蘭印(オランダ領東インド)への進攻作戦が蘭印作戦。日本側の作戦名をH作戦という。

日本軍は1月11日にタラカンとメナド、1月25日にバリクパパン、1月31日にアンボン、2月14日にパレンバンと快進撃を続け、3月1日に最終目標のジャワ島に上陸した。ジャワ島の連合軍は3月9日に降伏した。

大本営の事前の予想では開戦から蘭印軍降伏まで120日間とされていたが、92日間という電撃的な早さで作戦は完了した

 

 

●背景・内容

日本軍側の最大の目的は蘭印(オランダ領東インド、現在のインドネシア)の石油資源の獲得

マレー沖海戦でイギリス軍の2隻の戦艦を撃沈、地上部隊も快進撃を続けるなど、主にマレー方面において戦況が極めて有利に進展していたため、1942年1月11日、オランダ領タラカンとメナドへの進攻をもって蘭印作戦に踏み切った。

 

後のソロモン諸島を巡る戦いほどではないものの、日本と連合軍の水上戦闘艦同士による海戦が幾度も発生した。

第八駆逐隊(朝潮、大潮、満潮、荒潮)の参加したバリ島沖海戦、雷や電が敵兵の救助作業にあたった逸話が有名なスラバヤ沖海戦、三隈や最上が参加し「バース」「ヒューストン」などを撃破したバタビア沖海戦などは当作戦中に発生した海戦である。

 

 

●影響

概要の通り、大本営の予想より遥かに早くこの作戦は成功を収める。実際に蘭印はこの後から終戦近くの1945年初頭に海上護衛を突破(内地との交通を遮断)されるまで、日本の戦争経済を支える資源基地として機能した。

 

また、植民地とされていた現地では反オランダ感情が強かったこともあり抗日活動が少なかった。日本側もその意を受けて、インドネシアとしての独立を念頭に置いた政策を敷いている。

なお、その一環として現地人が日本軍による労働者募集を受けて軍需工場などで働く「労務者(ロームシャ)」として雇用された他、泰緬鉄道建設などにも動員されたが、事故などにより少なくない犠牲者を生み出していたりもする。

日本軍による蘭印の占領は、長年の過酷なオランダの植民地支配に対する現地人による独立運動と、母国の国力の低下によりすでに揺らぎ始めていたオランダの植民地支配を終焉させる決定的な一撃となった

 

ちなみに、この戦いにおけるオランダの敗北が戦後オランダが同地の植民地を失う決定的な一撃となったこともあり、第二次世界大戦後のオランダはヨーロッパでも最も反日感情の強い国の一つとなる

オランダは多くの日本軍人をBC級戦犯として処刑した上、1971年の昭和天皇のオランダ訪問の際には卵が投げつけられ、1986年にはベアトリクス女王の訪日が世論の反発により中止となった。

日本とオランダとは400年にわたる交流の歴史を有していたにもかかわらず、オランダの植民地である同地における戦争は両国間に拭いがたいわだかまりを残した。

 

 

●海軍参加兵力

蘭印(比島)部隊(第3艦隊) – 司令長官:高橋伊望中将、参謀長:中村俊久少将

第16戦隊(重巡洋艦「足柄」、軽巡洋艦「球磨」「長良」)
第5戦隊(重巡洋艦「妙高」「羽黒」「那智」)
第2水雷戦隊(軽巡洋艦「神通」、駆逐艦8隻)
第4水雷戦隊(軽巡洋艦「那珂」、駆逐艦12隻)
第5水雷戦隊(軽巡洋艦「名取」、駆逐艦8隻)
第4航空戦隊(航空母艦「龍驤」、駆逐艦1隻)
第11航空戦隊(水上機母艦2隻)
第17戦隊
第1根拠地隊、第2根拠地隊、第32特別根拠地隊
呉第1特別陸戦隊、呉第2特別陸戦隊
佐世保鎮守府連合特別陸戦隊(司令官:森国造大佐)、佐世保第1特別陸戦隊、佐世保第2特別陸戦隊
航空部隊(第11航空艦隊) – 司令長官:塚原二四三中将、参謀長:大西瀧治郎少将
第21航空戦隊、第23航空戦隊
横須賀第1特別陸戦隊、横須賀第3特別陸戦隊
馬来部隊(南遣艦隊) – 司令長官:小澤治三郎中将、参謀長:澤田虎夫少将
重巡洋艦「鳥海」、練習巡洋艦「香椎」
第7戦隊(重巡洋艦「熊野」「鈴谷」「三隈」「最上」)
第3水雷戦隊(軽巡洋艦「川内」、駆逐艦14隻)
第4潜水戦隊(軽巡洋艦「鬼怒」、潜水艦8隻)
第5潜水戦隊(軽巡洋艦「由良」、潜水艦6隻)
第12航空戦隊、第22航空戦隊
第9根拠地隊、第11特別根拠地隊
横須賀第2特別陸戦隊
 
参加兵力参照→蘭印作戦 – Wikipedia http://p.tl/aZKb

 

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