図鑑NO.026 瑞雲
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装備図鑑
新開発の二座水上偵察機。装備の左上のアイコンは水偵のアイコンだが、水偵を発展させ急降下爆撃可能な水偵として開発されたのが「瑞雲」であり、図鑑の表記は”水上爆撃機“。
軽巡や重巡にも装備可能な水偵とは似て非なるものであり、搭載可能な艦は水上機母艦、航空戦艦、航空巡洋艦、潜水空母に限られる。
様々なステータスが上がる装備であり、その攻撃方法も多岐に渡る。開幕の爆撃が可能なだけでなく、対空が上がることから艦戦の機能(航空戦に参加)も持っている。その他、対潜も上がり、航戦・水母・航巡に装備することで潜水艦への攻撃も可能となる。ただし、潜水艦への攻撃は”優先”で行われるため、射程も長い航戦は最初に潜水艦への攻撃を行いやすいため、砲撃戦火力を対潜に使用するのはちょっと損かもしれない。
また、あくまでも水偵の発展であるので、本職の艦戦や艦爆に比べると力不足ではある。もちろん撃墜されれば補充にボーキも消費され、器用貧乏な感じは否めない装備。
元ネタは帝国海軍の水上偵察機「瑞雲」。十四試二座水上偵察機(後に計画遅延で十六試に改称)計画により、昭和17年3月に試作1号機が完成、翌年8月に採用されている。開発記号はE16A。
ゲーム内での微妙性能とは違い、史実では零観とともに最高峰の水上機と評される。
艦隊としては空振りと再出撃の多い索敵は空母機に任せたい。→索敵に空母機割いたら空母からの攻撃力が下がるのでは?→そうだ!水上機に索敵ついでに先制爆撃も任せよう!
といった感じなのが水上爆撃機の構想である。航空兵力で劣勢の日本海軍は巡洋艦搭載の水上機からの爆撃でなんとか劣勢を覆したかった。
ちょっと無茶っぽい要求なようだが、実は日華事変で使われた九五式複座水偵では一応空戦・爆撃もこなすことに成功している。
この成功により、海軍は後継機に、
空戦重視→零観
爆撃重視→十二試二座水偵(開発に失敗)
を要求し、瑞雲は開発失敗した十二試二座水偵の後継機である。
前身とも言える機体の開発に失敗してることからもすでに分かるが、開発は難航し、例によって例のごとく、完成は遅れに遅れた。
ただし、要求を満たし完成したその機体は傑作とも言える機体であり、その性能は、
主翼内装型20mm機銃2門、13mm後方機銃1門を搭載、25番(250kg爆弾)で急降下爆撃までも可能。最高速度は448km/hを達成、航続距離は水偵である以上当然の如く長く約2500kmを誇る。さらに零観の後釜な側面もあったので自衛能力も求められ空戦フラップまで採用している。(フラップとは飛行機の揚力を増大させるための装置)
爆撃機である九九式艦爆の量産型である二二型と比較してみると、最高速427km/h、航続1050km、掃射に使う前方火力は7.7mm×2であり、瑞雲がいかに優れた機体か分かる。
完成・配備は遅れに遅れたものの、1944年の春から部隊への配備が開始され、フィリピン方面では夜間爆撃に使用された。特に魚雷艇攻撃においては、それなりの戦果を示している。その後の沖縄戦でも爆撃や哨戒に利用されたが、この頃になると戦況の悪化に伴い、本機のような水上機の活躍できる場面はほとんどなかった。
ちなみにフィリピン方面に配備された”第634航空隊“は、航空戦艦の伊勢・日向に搭載して訓練を積んでいたが、634空は両艦の実戦投入前にフィリピン方面に転出したため、航空戦艦搭載機としての実戦参加は果たせなかった。だが、634空は上述の通り、それなりの戦果を上げており、大戦末期の劣勢の中で特攻によらない通常攻撃で一定の戦果を挙げた数少ない事例となった。
以上のようにゲームではその性能の割に冷遇されている感じは否めないが、あまり強くし過ぎると本職の艦載機の立場がなくなるので仕方ないのかもしれない…。
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コメント一覧
あー、制式名こそ水偵になってますが、
日本海軍の水上爆撃機は索敵「しません」
コレ重要です。
米国だとSBDやらSB2Cなんかの急降下爆撃機の
型式がSB(=Scout Bomber)の通り、索敵に出して、
敵艦を見つけ次第、無線で後続を呼び出しつつ、ちょっかいも
出すかーなのですが、
日本海軍は空母戦力で「劣ってます」から米国のように
少数の攻撃機を索敵に出すわけにはいかないのですよ。
各個撃破されちゃう。
索敵機が敵空母を見つけ次第、全力を出して
先制飽和攻撃をかけるために水上/艦上の急降下爆撃機が
あるんですね。
本来のプランでは索敵機を回収と再出撃の容易な艦攻が担い、
打撃力を艦爆と十二試二座水偵が分担する。
こうすることで
・艦隊の索敵能力が引き上げられる。
・水上機の回収は「敵空母の甲板を潰してから行う」ので
無防備に空襲に合う時間帯がなくなる。
といいこと尽くめのはずでした。
ミッドウェーで負けたのは十二試二座水偵の開発に
失敗したからだ、とさえも言えると思います。
ミッドウェーモチーフと噂される春イベント、
瑞雲に焦点があたるといいんだけど・・・。
>なるほど。詳しくありがとうございますー。
イベントがミッドウェーだったとして瑞雲に焦点が当たるといいですね。最近「瑞雲」にも色々種類が実装されましたし。
秋イベでは三式弾が重要だったので、装備にも焦点が当たる可能性は十分ありますよね
なんか、別の所で話題になったので、ついでに。
>さらに零観の後釜な側面もあったので自衛能力も求められ空戦フラップまで採用している。
これ、別に零式観測機の後釜だからじゃないです(後釜ですらない)
当時の爆撃機(艦載機でも)は、爆弾を落とした後、戦闘機と交戦することを要求されていました。なので99艦爆でも空戦能力は要求されてますし、持ってます。つまり、小型爆撃機である以上、空戦能力を持つのは普通で、零式観測機とは関係ないです。
あと、水上爆撃機の回収は、「敵空母の甲板を潰してから行う」を期待していましたが、実際には水上機母艦の担当させるつもりだったみたいですね。
水上機の回収は、母艦(重巡等)が円運動して航跡で波を打ち消してその中に降りる必要があったので、戦闘中はとてもやってられないので、別の場所に待機させた水上機母艦が回収のみを担当するみたいでした。なので、水上機母艦は搭載量の割に定数が少なかったみたいです。
(装甲の薄い水上機母艦から発艦はあまり考えていなかった様ですね。
個人的には、それなら航空母艦だって装甲薄いだろうと思いますが(^^;)
ちなみに、当時の海軍の要求項目では
・偵察機→後の零式偵察機
・高速偵察機→後の紫雲
・弾着観測機→後の零式観測機
・水上爆撃機→後の瑞雲
の4種類が要求されており、これはすべて別用途になります。
観測機は二座水偵から一度分化した機種ですが、
十二試二座水偵の時点で観測機との機種統合を検討されてるんですよ。
大和に搭載を検討されたのもこれが理由です。
なので、十二試二座水偵の後継機、瑞雲の空戦能力は
爆撃機全般に空戦能力、というより、零観の後継機として
期待されていたと見るべきだと思います。
十二試二座水偵の時点で機種統合の検討はされていますが、
それ以降も十四試、十六試、十八試?まで水上観測機の計画要求が出ています。と、思っていたんですが、
よく考えたら、立ち消えになった十四試観測機って昭和15年なんですね。
瑞雲の試作要求が十四試二座水上偵察機も昭和15年ですが、十六試に変わってまで遅くなっているということは、確かに設計に盛り込み直した可能性は高いですね。
(十四試観測機をキャンセルして、十四試二座水上偵察機に統合した)
失礼しました。