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図鑑No.046 九三式水中聴音機

公開日: : 装備図鑑

艦これ 図鑑No.046 九三式水中聴音機

爆雷と共に対潜装備であるソナー。装備の対潜値は数値以上の攻撃力を見せるので、爆雷と一緒に装備すればかなりの対潜威力を発揮する。

また、史実通り潜水艦にも装備出来る。図鑑項目では駆逐艦及び軽巡洋艦にしか搭載できないことになっているが、単に潜水艦の項目が用意されていないだけ。軽巡派生の雷巡も搭載可能。

以前は対潜+3と微妙性能だったが、その後のアップデートで+6/命中+1と強化された。

 

元ネタは日本海軍の「九三式水中聴音機」。日本海軍初の本格的な量産型の水中聴音機である。装置は読んで字のごとく「水中で敵の音を聴く」ための装置。

九三式聴音機の探知距離は自艦速力8ktの陽炎の場合、約3200m程。速度が一定以上(12ktくらい)になると自艦の推進音が邪魔で聴音がほぼ困難になるという欠点がある。実際12kt以上での探知距離は約1400mと距離が激減する。

また水中聴音機では方位は測定できても距離は測定できなかった。そのためアクティブソナーが装備されるまでは、2隻以上で聴音し三角測量の要領で距離を測定していた。

ちなみに潜水艦の場合、水流や波浪によるノイズが水上と比べて少ないことや、機関停止して無音航行をするなど雑音を極力抑えることができ、聴音の探知距離は水上艦と比べて飛躍的に伸びる。およそ10-30kmとかなり長い。イベントコラボしていたアルペジオのイオナなんかは(ちょっと非現実的な艦すぎるがアニメでは)ソナー手がよく水中音を聴いているシーンがあり、潜水艦の場合での聴きやすさを表している。

魚雷厨だった日本海軍は、聴音機・探信儀の研究開発を怠っていたため、朝潮型以前の駆逐艦には聴音機や探信儀を竣工時に装備していなかった。どうやって潜水艦を見つけたかというと、日本海軍伝統の「視力こそレーダー」である。

とは言え、水中まで見える視力を持つ者などいないので、潜望鏡や魚雷の雷跡の発見、または魚雷が命中して爆発する僚艦によって潜水艦を見つけてたのだそうだ。おい。

 

水中聴音機の使い方はシンプル。耳を澄まし聞きたい方向に向かってハンドルを操作するのである。音は空気中より水中のほうが伝わるのが早いためよく聞こえる。 聞く音は主に敵艦艇の推進音だが、商船(民間船)と小型軍艦、大型軍艦では推進音が全然違うため慣れれば音だけで艦種がわかる人もいる。時々クジラの鳴き声とか、潜水艦の中にいる人の会話も聞こえるとか。

この水中聴音から逃れる方法がいわゆる”無音航行(潜行)“。機関を停止して海流に身を任せる。イムヤなんかが台詞で言っている。

ちなみにここまでの説明は図鑑にも書いているように「パッシブ・ソナー」と呼ばれるもの。要は音を拾うだけである。ソナーには「アクティブ・ソナー」というのもあり、こちらはヤマビコと同じ要領。こちらから音を放ち、その反響で位置や距離を掴む。自身が音を放つため隠密性が損なわれるので、潜水艦などのソナーは基本的には「パッシブ・ソナー」を用いる。現代での潜水艦はアクティブ・ソナーを使用しているものはほとんどない。

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